サガンが失格になった第4ステージのスプリントに対して、ランス・アームストロングが自身のポッドキャストにて持論を語っていて、その結論が思わぬ方向に向って興味深かったので抄訳(部分的な翻訳)をしてみました。
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ランス:クレイジーな第4ステージだった。レースが始まって3,4時間は本当に眠ってしまいそうな展開だったけど、ゴール前で突然の…
サイクルジャーナリスト:大論争となるあの出来事!!(controversy)
ランス:大騒動!(all hell breaks loose)
サガンの処分に誰も納得していないだろう。
ゴールシーンを何回も何回も観た。スローでも観た。スプリントの前後も観たよ。
てか、誰だよあそこに木を植えたのは!!(上空からのヘリ映像のこと)
クビだそいつは!!笑
とりあえず、僕はこの決断には反対だ。
UCIはちゃんと映像を観ての判断なのか、疑問に思うよ。
まず前提として、あのスプリントの道は狭く、ツール序盤でスプリンターたちは皆フレッシュかつ勝利に飢えていて、勝利の為ならなんでもする状態だったということだ。
また、問題となる落車の前に大きな集団落車があって、最終スプリントには20人程度しか残っていなかったし、ラスト1キロはまるでドンキーコングのゲームのように入り組んでいた。
今回の議論のポイントはまず、
ルールでは、スプリントが始まったらまっすぐ自分のコースを守って走らなければならない。それを違反したら、最後尾ゴールと持っているポイントを剥奪から、レース失格までの間のペナルティから課される。
皆が一番の論点としている所だ。
3.カヴェンディッシュの選択した右側のラインは(走行が)可能だったのか。
サイクルジャーナリスト:もしそこに隙間がなくブロックに激突したのならば、それは落車したカヴェンディッシュの問題だ。映像からはサガンは単純にコースをブロックしたように観える。あれは選手として自然な行為にみえないだろうか?
僕とも一緒に走ったこともあって、クラシックで勝利も挙げており、さらに教養もあって信頼できるレーサー(マグナ・バイクスタ?と聴こえるのですが、特定できず…)のツイートでの意見なんだけど、
追記:コメントによりマニュス・バクステットという選手であることが判明しました。
My View: 1-Sagan Closed gap hard =not right.
— Magnus Backstedt (@Maggy_PR) 2017年7月4日
2-Cav went for the gap that wasn’t there = not right.
1+2=Racing incident
Hope all are ok!!
1.サガンが執拗に右側のギャップを締めたこと=するべきではなかった。
2.カヴェンディッシュがありもしない隙間に飛び込もうとした=賢明ではなかった。
この二つの事を鑑みるに、これはレースで普通に起こりうる出来事だ。(Racing incident)
皆、無事でありますように!
一方、カヴェンディッシュのディレクターRolf Aldagはこうツイートした。
追記:ツイートを発見しました。
Time to step up #UCI. This was not a race accident. Violence. Hard to DQ a world champion from #letour, but needs to be done.
— Rolf Aldag (@RolfAldag) 2017年7月4日
(今回の件について)UCIには一歩踏み込んで取り組んで欲しい。
これはレースのアクシデントではない。暴力だ。
ワールドチャンピオンをツールから追い出すのは難しいだろうが、なされるべき判断だ。
スプリントが開始されたら自分のラインから離れてはいけないというのがルールであって、それを違反したのであれば罰せられるべきだろう。(religated)
しかし、今回はサガンの出した肘が原因で失格処分になった。
動画よく観てみると、肘はカヴェンディッシュがバランスを崩した後に出ている。
また、サガンは自分のエリアを確保するためにそのようなスプリントをする選手だ。
僕はスプリンターではなかったので、あの集団には絶対に近づかないけどね。笑
別にサガンを擁護するつもりはないが、あの肘によってカヴェンディッシュが落車したわけではない。
あの時サガン自身もバランスを崩していたので、それを保とうとする為にやったとも思える。
これが今後議論されるべき点だ。
~しばしスプリンターという狂った人種についての話~
この論争の前に、今回のコースレイアウトに問題はなかったのかを問いたい。
(初日の雨の個人TTも含め)
以前から何度も言っていることだけど、
選手は労働組合を作ってコースレイアウトを決める議論の椅子に座るべきだ。
コースレイアウト作っている奴ら(プルードム氏等)は、シャンパン飲みながら作っているのだ。
選手たちは「このコースは危険だから走りたくない」と言える立場に立つべきだ。
そうすれば主催者(ツールではASO)、運営(UCI)、選手、チーム、スポンサーが承認した完璧に安全なコースレイアウトが作れるはずだ。
それでもこういった落車が起こる可能性はある。そこまではコントロールできない。
しかし、(その可能性を下げることにつながる)トップクラスのレーサーによる労働組合は必要だ。
そこで選手の安全、労働環境、年金、利益の分配(これが一番大事)が確保されるべきだ。
もし僕がこの考えを現役だった2000年代前半頃に持っていたら、実行する力はあっただろう。
誰かが選手の中に入って声を上げるべきだ。
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去年から自転車ロードレース本格的に観始めた初心者なので、ランスが自転車界にとってどういう存在なのかは想像するしかありませんが、彼の「選手がチームと運営と同等の権利や利益を得る為の主張やルール作りをすべき」という点は、とても元アメリカ人スポーツ選手らしい発言であると同時に、自転車ロードレースをアメリカに輸入し普及させ、一大スポーツイベントまで成長させた戦略家としての一面もみれて、非常におもしろい動画でした。
ちなみに、なぜあのランスがラジオではなくポッドキャスト?と思うかもしれませんが、アメリカでは3,4年前から空前のポッドキャストブームで、ちゃんとスポンサーもつくビジネスとして成立するほど成長しているメディアです。(ランスのポッドキャストがどう運営されているのかまでは調べていませんが)
追記 (2017.7.7):ランスが引用していた元選手はマニュス・バクステットだと言うことがコメントのおかげでわかったのでツイートを挿入&修正しました。また、カヴェンディッシュのディレクターRolf Aldag氏によるツイートも見つけることができたので挿入&修正しました。