溜めず、恐れず。

自転車ロードレースの英文記事やPodcastの翻訳を中心に書いています。

【翻訳】イギリス人記者が語るアジア、日本の自転車ロードレース界

 

  オーストラリアのSBSというテレビ・ラジオ局が配信しているポッドキャスト番組『Zwift SBS Cycling Podcast』で、日本をはじめとする「アジアの自転車ロードレース界」について話していたので、抜粋して翻訳しました。

30:46から

 

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ー 世界選手権も終わり、ジロ・デラ・トスカーナではカミングス(ディメンション・データ)が勝利した。今後のカレンダーにはどんなレースが残っているかな?


モニュメントが、あと一つ残っているね。

ー5番目の「イル・ロンバルディア」だね。 

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僕は「自転車ロードレースのシーズンは長すぎる」と主張しているから、ブエルタと世界選手権でもう終わりでいいと思っているんだ。確かにモニュメントなのだけど…もう疲れちゃったし。

ー 正直イタリアでもそういう雰囲気があるだろうし、選手にとってもそうだろうね。

うん。

ー 確かにパリ・ルーベ、ミラノ〜サンレモのような盛り上がりはないかもしれない。

でもこれは勝つのが難しいレースだし、とても高いレベルの戦いになるだろう。このレースの面白いところは、勝利するのが毎年「世界選手権で勝利したり、成績が良かったりする選手ではない」ことなんだ。何はともあれエキサイティングなフィニッシュになることは間違いないだろう。

ー あとは、ツアー・オブ・広西(こうせい)がある。中国に取材行くんだって?

 
そう。アジアの自転車ロードレースは素晴らしいんだ。僕自身が選手だった時にレースで行って実感しているし、君も取材で知っていると思うけど。


僕には一つ待っていることがあるんだ。それはツール・ド・フランスで中国人か日本人の選手がステージ勝利をする」ことだ。

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なぜなら、それが「アジアの自転車ロードレースが次のレベルに移行する時」だからね。

アジアでは、2クラスのレースだけどツール・ド・フランスの裏で開催されているツアー・オブ・チンハイレイク、ツアー・オブ・ジャパンツール・ド・ランカウイ、マレーシアのレースなど、各国で小さいツアーがたくさん開催されているんだ。

ー 韓国でもね。

そう、韓国もだ。あと彼らに必要なのは ”ヒーロー" だけなんだ。本当の意味でのヒーロー。ツール・ド・フランスでステージ勝利を上げる "スター" だ。僕はその時が早くきてほしいと思っている。

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また僕が選手だった頃、韓国や東京のレース出場して思ったことなのだが、なんとゴールがそれぞれの首都に設定されているんだ。だから本当にたくさんの人が集まっているんだ。

現地の英語を話す何人かのファンに「なんで見に来たの?」と聞いてみたのだけど、「自転車が好きで”無料”だから」と答えていた。自転車のイベントが ”無料”なんだよ?すごくないか?

そしてみんな自転車ロードレースを愛している。また彼らの特徴的なことが、人がたくさんいるのにもかかわらず僕のことを見つけてくれることなんだ。みんな選手にサインを求めてくるし、選手をアニメ化した旗やポスターを作って貼ってくれる。

自作の旗を持ってコンタドールの応援に駆けつけた日本人ファン。

驚きなのは、それが”12ヶ月振り”のレースなのにもかかわらずということだ。その間直接観戦できないのにも関わらず、毎年応援してくれているんだ。

アジアにおける自転車ロードレースの盛り上がりは、とてつもなく大きいよ。


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以上です。

来月開催されるジャパンカップ(10月20~22日)に、今季限りの引退を発表したアルベルト・コンタドールやリッチー・ポートの来日が決定するなど、日本国内の自転車ロードレースは盛り上がりを見せています。

しかしその一方で、先日ノルウェーのベルゲンで行われたUCI世界選手権の男子エリートロードレースにおいて、出場したアジア人選手が日本の新城選手(バーレーンメリダ)と香港のキンロック・チェン選手(オリカ・スコット)の二人だけと、ワールドツアーレベルにおける活躍はまだ寂しいというのが現状です。

SBSの記者の言うとおりツール・ド・フランスで勝利するアジア人のスター選手誕生をきっかけに、日本をはじめとしたアジアの自転車ロードレース界が盛り上がることを期待しています。

 

 

*実際の放送では4人が話しているのですが、正確に分けると読みにくくなるため2人に変更しています。

*オーストラリアのポッドキャスト番組なのに「なぜイギリス人記者?」と思うかもしれませんが、発言をしている人が明らかな「イギリス発音」だったのイギリス人としました。国籍はオーストラリアかもしれませんが、調べても誰が誰なのかまでわからなかったので…。