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「あの発言が三倍になって返ってきたんだ」トム・デュムランの世界選手権後インタビュー

 

  今年5月のジロ・デ・イタリアで総合優勝を果たし、先月ノルウェー・ベルゲンで行われた UCI世界選手権ロードの個人TTチームTTを制したトム・デュムラン(チーム・サンウェブ)のインタビューが配信されていたので、一部を抜粋し翻訳しました。

www.cyclingnews.com

 

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ー 5月の(ジロ)勝利からだいぶ時間が経ったからもう聞き飽きた質問かもしれないが、来年はどのグランツールに挑戦するつもりなんだい? 

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トム・デュムラン:みんな来季のことを聞いてくるのだけど、スケジュールは何も決まっていないから答えようがないよ。

 

ー じゃあ、もし来季のコース設定が今年と似ていると仮定して、ジロ・ツール・ブエルタのどれに出場したい?

 

そうだな。それならもう一度ジロに出るかな。

今年のツールのコースは好みじゃなかったし、僕の能力的にも合っていなかった。来年のコース・レイアウトがどうなるか楽しみだよ。

 

ー コースによって出場の可否を決めていたら、あと五年ぐらいはツールに出れなくなってしまうんじゃないか?笑

 

ははっ、確かにそうかもね。

でも、ツールを優勝できずポディウムに登るくらいだったら、ジロに出て優勝する方を選ぶよ。まだわからないけど、必ずツールで総合優勝を狙う。それが来年か再来年になるのかはわからないけどね。

でも近いうちにツールに出ることは間違いない。

 

ー 今シーズンの話をしよう。今季は狙ったレースを全部で勝利したよね?(ticked every box

今年になにか成し遂げられなかったことはあった?

 

まぁ、ないかな。

でも、強いて言えば『イル・ロンバルディア』は狙っていたんだ。だけどもう身体のシーズンが終わっていたし、難しかった。

 

ー 今季のグランツールでジロが一番エキサイティングなレースだった。振り返ってみて一番印象に残ったシーンは何だい?

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そうだね。いくつかあるけど、第9ステージのブロックハース(Blockhaus)で3位になったことかな。

あのステージで自分の体調が「三週間の総合争いができるレベル」に仕上がっていることがわかったんだ。

 

ー それは感覚的なもの?それともデータ的に?

 

感覚だね。レース期間中はデータは見ないよ。チームスタッフはデータを取って解析しているけど、僕はそれを聞かないし興味もない。データを見てしまうと物事が難しくなって、感覚に集中できなくなってしまうからね。

 

ー ブロックハースを越え、総合リーダーになってから、色々とこみ上がってきたものがあったと思うのだけど、実際の所はどうだったんだい?

 

そうだね。第16ステージのステルヴィオ峠での生理現象(nature break)はかなり大きな出来事だった。でもとても上手く対処したと思っているんだ。タイムはいくらか失ったが、調子は悪くなかったし、僕にはあれを冷静に対応できる精神力があったと思っているんだ。あれから一週間は酷い目にあったけど、全てを失ってもおかしくなかったあのトラブルを乗り越えられた事は、僕にとってとても重要な出来事だった。

 

ー キンタナやニバリというジロの覇者がいる中で、”精神的な負担” は大きな要素だったと思うけど、どうだった?

 

三週目は特に精神力が試される戦いになる。ほとんど ”精神力の勝負” だとも言っていい。自分や世間、ライバルたちと対峙しなければならないんだ。

大きなストレスが最終週に訪れることは、ブエルタで経験していたから分かっていたけど、(キンタナやニバリなど)僕より経験がある選手がいたし、そういう意味では大きな壁だったよ。

 

ー 具体的にはどう対処したの?

 

なるべく ”気にしないようにした" かな。明日何が起こるのかにあまり気を使わないようにしたんだ。

 

ー 君がライバルとの戦いでフラストレーションが溜まり言い放った「彼らがポディウムから転げ落ちることを願うよ」というセリフ、記事ではその発言について後悔していると書いてあった。これは何についての後悔だったんだい?その発言をしてしまったことについて?それとも思いそのものについて?  

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その両方だよ。絶対に口にすべきではなかったし、あの時あの場所でそう思っただけで、僕の思いではないと言ってもいい。

ライバルたちは結党して僕にアタックしていたんだ。彼らは自分の勝利ではなく、ただ僕を引きずり下ろすことが目的だった。それがフラストレーションになり、あんな馬鹿なことを言ってしまった。とても後悔しているよ。

それにあの発言のツケが、SNSなどで三倍になって返ってきたんだ。そういう意味でも後悔しているよ。

 

ー ジロ優勝による世間からの反応は物凄いものだったと思う。また、ウィギンスがイギリスの自転車界に果たしたのと同じように、君はオランダ自転車界の象徴になったと思う。そのような感覚やプレッシャーは感じているかい?

 

正直、自分の予想を上回る反応だった。それによるプレッシャーはそれほどないけど、とにかく良い反応が多くて嬉しかった。

それに子どもたちに良い影響を与えられたのだったら、これ以上嬉しいことないよ。

 

ー 話は変わって、君は二度目の世界選手権の勝利(個人TTとチームTT)を果たしたわけだけど、どう感じた?

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プロ選手になってから「ジロでの総合優勝する」なんてことは夢にも思っていなかった。それに比べれたら 個人TT と チームTT の勝利は、僕自身が目指していたものだし、特に好きな競技だったからとても嬉しかった。正直勝てると思っていたから、そのプレッシャーも凄かったけど、とにかく嬉しかった。

 

ー これは僕を含め、多くのメディアが思っていることなんだけど、今回の(個人TT)勝利によって「自分こそが打倒クリス・フルームに最も近い選手である」と考えたかい?

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この質問は世界選手権後のいくつかのインタビューで毎回聞かれていることだよ。笑

ジャーナリストはどうしても「クリス・フルーム対トム・デュムラン」という構図を作りたいようだね。でも、これは僕のモチベーションにはなっていないんだ。クリスとのデュエルは僕の中にはないし、それがツールを走る理由にもならない。もしツールを走るなら、もちろん勝利を目指すけど、その為に倒さなければならない相手はフルームだけではない。

その構図を作りたがる気持ちはわからなくはないけど、そんな風にツールやフルームのことを見てはいない。彼はグランツールで最も強い選手だとは思うけどね。

 

ー 子ども達にとって君が自転車ロードレース選手の象徴となる上で、「クリーンな状態で勝っている」と示すことは重要であると思うかい?

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それはとても大事なことだと思っているよ。ドーピングして勝利する感覚が僕には想像できないし、それがクリーンな状態で勝った時のように喜べるのかがわからない。とにかくドーピングをしている自分を想像できないんだ。

いまのスタッフやチームは「選手がクリーンで走っている」ことへの信頼で成り立っている。ドーピングは100人以上のチームスタッフと、15人ぐらいの他の選手の人生を狂わせる行為だ。

僕の責任は大きいし、そんな馬鹿げたことはしない。

 

ー いま以上に「クリーンであること」をアピールしていくつもりはあるかい?

 

いいや、しないよ。人は自分の信じたいことを信じるものさ。だから僕のことを信じるように強制はできない。パワーデータを開示するなどは可能だけど、僕はクリーンな選手だし、その判断は見ている人たちに委ねられる。

必要以上に「クリーンだ」というアピールをすれば、逆に悪い状況を招いてしまうかもしれない。

僕ができることは「僕を信じてくれ」と思うことぐらいだ。

 

ー 一緒に戦うライバルたちもクリーンだと思うか? 

 

そう信じなくてはいけない。

一度疑いだしてしまうと、その時点で負けは決まっている。レースが始まる前にね。そんな状態で勝つことなんてできない。

ただ、「僕はクリーンで勝ったんだ。それでどうして他の選手を疑えるんだよ。(I beat them clean. So how could I think that they are not clean. 」 

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ー 今日は本当にありがとうトム。

 

こちらこそ、ありがとう。

 

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