溜めず、恐れず。

フローをストォーック。

”ランスすげぇ!”ってなる本 → 『ただマイヨ・ジョーヌのためではなく』

 

夏なので、読書感想文の気分でランス・アームストロング著『ただマイヨ・ジョーヌのためではなく』の感想を書きました。

 

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく (講談社文庫)
 

 

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①この本を前から知っていたか?

いいえ。ランス・アームストロングってどんな選手だったんだろう?と、いろいろ調べていた時に見つけました。

 

②どうしてこの本を読むことになったのか?

今年のツール期間中にランスのポッドキャストをひたすら訳していて「そーいえばこの人の事を全然知らないな」と思って。

 

③読み始めてわかったことは?

ランスむっちゃすげー!ってことがわかりました。

ガンを克服するだけでなく、復帰後すぐツールで優勝してしまう所とか。あと発病する前から凄い選手だったところとか!

 

④最初の数ページで印象に残ったことは?

DVされていた義父の名字(アームストロング)をいまだに名乗っているところ。謎。

 

⑤この本は何について書かれていると思う?

ランスのすごいところ。

 

⑥前半のあらすじの大まかな感想

母は強し。

 

⑦本の人との共通点

映画『グッドウィルハンティング』が好きなところ。偶然にも自分が人生で一番多く観た映画だったので。ホントびっくり。

あと、シェリル・クロウが好き"だった"ところ。

 

⑧本の中の人と違っているところ

あんなにいっぱい友だちいない。

シェリル・クロウと付き合えていない。

 

⑨何故違っているか?自分なら何をするか?

インドア派だし、生まれも育ちも日本だから。

リサのことを大事にする。

 

⑩全体的な感想。本を読んでいない人へ伝えたいことは?

ランスの異常性が端々から漏れてて面白かった。

ランスがすごい選手だってことがわかるからオススメ。

あと、コフィディスの悪役ぶりが痛快だった。

 

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素材提供

 

 

ー 次回予告

「『シークレット・レース』を読んで」

マーク・カヴェンディッシュ ツール後インタビュー「あそこに飛び込む判断に間違いはなかった」

 

今年のツール・ド・フランス第4ステージ、ゴール前のスプリントで落車によって1勝もあげることなく去ることになってしまったマーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)。

シーズン序盤に苦しめられ、ツール出場すら危ぶまれたウイルス性の病気のことを始め、ツールでの落車や、サガンへの思い、今後の目標などを語ったインタビューが、とても印象深かったので訳しました。

 

www.cyclingnews.com

 

…ただ、彼のイギリス訛りというか、出身地であるマン島訛り?がとてもとても強く、聴き取れていない箇所が多数ありました。特に落車やサガンに関する箇所は、言いたいことを敢えて回り道させるような、歯切れの悪い話し方だったので、今回のインタビューは話半分で読んでいただければと思います。 

ご指摘いただければ修正にはバシバシ対応しますので、何卒よろしくお願いします。いや本当に。

 

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カヴェンディッシュ

アブダビ(ツアー)で疲れが出始めて、勝利はしたのだけど何かがおかしかったんだ。いつもより疲れ方が酷く、だから自転車を何回もチェックしたんだ。

ミラノ~サンレモの時も同じだった。とても痩せていていい状態だったんだけど、足首を痛めて、身体が「何かおかしいから止まれ!」と言っているようだったんだ。

病気は去年に無理をしすぎたことが原因だと思う。(正式な病名は:EBウィルス感染による伝染性単核球症

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ツール初日はとても誇らしかったんだ。10年間プロ選手としてやってきて、勝利しなかったらみんな「歳を取ったからだ」とか言って俺の実力に疑問を持つだろう?

10年もプロであり続け、常に勝利しなければいけないプレッシャーと戦ってきた。負けても負けても挑戦し続けた。それができたのはチームや周りでサポートしてくれた人がいてくれたからだ。

 

ー 全治何ヶ月とわかる怪我とは違い、ウイルス性の病気は先が見えないものだろう? 例えばマイケル・ロジャース*の記事を読むと、彼は9ヶ月〜1年の間も不透明だったと言っていた。

*不整脈により2016年に引退

 

カヴ:

原因がウイルスだともっと早くわかっていればよかったんだけど、残念ながらそのウイルスを持ったままワールドクラスのレースを戦ってしまった。それが悪化させること繋がったんだ。それにこれは未成年の時になるケースが多いから、大人がかかると症状がよくわからないんだ。

そのためツールの準備期間が6週間しかとれなかった。いつレースに戻れるかがわからないことが一番辛かったよ。

 

ー 今年のツールを諦める覚悟もしていた?

 

カヴ:

ツール2週間前でも(まともに)自転車に乗っていなかったんだ。

色んな人から電話かかってきて、中には同じウイルスを持っていた人もいた。カデル・エヴァンスからも電話があり「最後のツールになるかもしれないから頑張れ」と言ってくれた。僕の立場を分かった上でしてくれるアドバイスはとても暖かかったよ。

無理をすれば選手として長期的なダメージが大きいことはわかっていたし、それについてはチームとオープンに話し合っていた。準備が十分に整わない場合はツールに出ないと決めていたんだ。

 

家にいるよりも、出場した方が勝利する可能性がある。それ以上にシンプルなことはない。

確かにツールで勝てる可能性は高くなかった。でもチームはその可能性を高くする為にサポートしてくれて、そこに少しの運があったら勝てるかもしれなかった。

ディメンションデータはツールで一番強いリードアウトができるチームだから、集団で良い位置にはつける。それができるチームなんだ。

 

ー ツールに出場することにリスクはあったよね。

 

カヴ:どういう意味?

 

ー いや、あの、健康とか、色んな面でさ。

 

カヴ:もし負けたら周りが俺のことをどう見るかという意味かい?

 

ー そう、そうだ。評判とかの面で。

 

カヴ:

それは仕方ないことだ。説明するのは難しいが、皆に力を見せることはできると思っていた。

例えば俺が登りで苦しんでいる時、チームメイトは俺を待ってくれるんだ。そしてゴールまでついてくれる。それは並大抵のことではない。俺はラッキーだ。

俺はチームとしての責任を果たさなければならなかったし、それをするべきなのはチームで一番お金を貰っている俺だろう?

 

ツールで「何かしなければならない」と緊張もしていたが、その責任をエドエドヴァルド・ボアソン・ハーゲン)が引き継いでくれたんだ。 

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彼はツールに、自らの勝利ではなく、アシストとして参加した。そこに突然「自らの勝利」という責任がやってきたんだ。でも負けて、負けて、それでもチームと共に何度も何度もしつこくトライして、最後に報われた。素晴らしいよ。とても誇らしい。

 

エドはどういう選手なんだい?彼は前身の MTN クベカのときからいる選手だろ?メディアの立場から彼はとてもシャイで静かな選手に見えるんだ。チームバスでもそうなの?

 

カヴ:

エドはゲラント・トーマス(スカイ)みたいな奴だ。トーマスは静かだが、周りで起こっていること全てを把握しているし、なんでも覚えている。それにドライなユーモアを持っている、良い奴で面白いやつだ。エディーもそうさ。静かだが、何か言葉を発したかと思うと笑いを誘う。俺のキャリアの中でももっと良いチームメイトの一人だ。

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僅差でキッテルに敗れた第8ステージ後「これだけの差で負けたんだ!」と訴えるボアソン・ハーゲン

 

SNSやプレスの中で、サガンの失格についての是非や、君が勝手に落車したのではないかというような話が沢山されていた。あの時は大変だったかい?

 

カヴ:ピーターにその意図はなかったと思った。それを彼と話して早くハッキリさせたかった。まず始めに何が起こったのかをちゃんとした視点で理解したかったんだ。

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俺自身がサガンの大ファンなんだ。ずっと良い関係だし、だから彼に対して怒ったことはいないよ。ただ、SNS上のピーターへの処分の反感は目に余るものだったし、是も非もどちらの意見にもバイアスがかかっていた。

 

大切なことは、何が起こったのかを把握することであって、それが正しいか間違いかではないんだ。

あれはレースでは起こりうる落車だし(racing incident)、それを個人の視点からのみで判断してはいけない。 

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俺は死ぬ時になっても「あの判断は間違っていなかった」と思うだろう。「目の前にチャンスがあったのに妥協した」と思う姿勢にすら自分を置きたくないんだ。

プロになってから今まで、ギャップ(隙間)のある所に飛び込んでいる。いままで行けると思ったギャップにしか飛び込んでこなかった。

俺も何度か落車をしているが、落車は起きるものさ。ツールで11回も走っているんだ。普通だったら5回出場すれば、その半分は落車しているだろう。しかしサガンは特例だ。特別な才能がある。多くのスプリンターは落車する可能性が必ず数%はあるものなんだ。

 

誰かが言っていたんだけど、俺が過去にスプリントで落車したことがあるから、あれは(サガンの関係ない)単なる落車だったという人がいるんだけど、それは馬鹿げているよ。結果に納得しないから、それと逆の意見に傾くというのは…

 

はっきりしている事実は、俺をピーターの間に何の問題もない。

彼のファンだし。良い関係ということだ。

 

ー ステージ勝利の記録*について、達成できそうだよね?

*ツール通算記録は34勝、カヴは現在30勝

 

カヴ:

そうだね。今年のツールに出場した理由もこれなんだ。俺自身からその記録について(積極的に)言及しているわけではないけど。

フルームは1勝もせずに今回総合優勝をした。でも俺は何勝もしているのに総合優勝なんてできない。自転車に無知な人は「なんでだ?」と言うけど、去年30勝の大台に乗り、それで記録更新の可能性がでてきて周りの見方が変わったんだ。

  

ー 自分のキャリアの終わりを考えたりするかい?

 

カヴ:

あるよ。正直言うと東京五輪のマディソンまであと二、三年はやりたい。ディメンションデータとの契約は残り一年だから、その後の話しだけど。

三回チャンピオンだから出場しなくてはいけない。しなかったら馬鹿だよ。

 

ツールの向けて準備している6週間の間に「俺にはまだ勝てる能力がある」ということを実感した。

俺は遅くなっていないし、遅くなることもこの数年はないだろう。

 

ー 2020年を目指すんだね。

 

カヴ:

東京五輪は)すぐにはこないだろうけどね。いま32歳だから、それほど悪くなっていないだろうし。

 

ー マディソンは誰と走りたい?

 

カヴ:

ゲラント(トーマス)だ。すごいペアになると思うよ。ジュニアの時から一緒に走っていたし、23歳以下のときも走っていたんだ。

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ご指摘や感想等ありましたらコメント欄かツイッター@If_So_Ara)にてお願いします。

 

 

個人的にカヴェンディッシュの"顔"が好きなのですが、その中でもツイッターやインスタのアイコンになっている↓これは激渋。ちなみにオフィシャルサイトもかなりクール。早く勝ってガッツポーズするカヴェンディッシュが観たい! 

ランス・アームストロングによるツール評 番外編その1「ツールの賞金額は20年も変わっていないんだ!」

 

完全なツール・ロスです。

家に帰ってきてからの生活リズムが行方不明です。ツール始まる前まで自分がどのような生活を送っていたのかがまったく思い出せません。 

またそれ以上にランス・アームストロング・ロスです。あの居酒屋でいい年したおっさんが老眼鏡片手に熱っぽく語ってるような雰囲気がとても恋しいです。

なので、ツールが終わった直後からランスのポッドキャストをステージ1から聴き直しています。また最初の方の展開を思い出すためにレースダイジェストを観返したり、大事なシーンをJsportsの配信で観返したりと、何気にツール2周目に突入しています。 

 

このブログでは合計 8ステージ分のランス評を訳しました。なので13ステージ分が未訳ですし、訳したステージ評でもステージに直接関係ない箇所などは省略をしています。

しかし今さらそれら全てを訳する気力もなく、また需要もないだろうと思いまして、2周目で聴いていて ”特に面白かった所” を抜粋して訳してみました。 

よかったらどうぞ。

 

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アメリカの有力選手であるテイラー・フィニーについて

第1ステージ評にて

ー 多くのリスナーがアメリカ人選手について知りたがっている。今回のツールにはタランスキーなどもいるが、特にテイラー・フィニーだ。今日の個人TTでもそれなりのタイムだった。

 

ランス:

自転車ロードレースを追っている人ならわかると思うが、テイラーは面白い選手だ。俺は彼の自転車選手としてのキャリアだけではなく、子どもから成長する彼もみてきたんだ。

2008年にトレック・リブストロングというチームを立ち上げ、2009年に活動しはじめたのだが、テイラーは最初に契約した選手の中の一人だった。普通のかわいい子どもだったが、それだけではない個性の持ち主だ。自転車選手には目立つ個性が必要だが、テイラーにはそれがある。

ただ、みんなは知らないみたいだが、彼は数年前のアメリカ選手権で大きな落車に見舞われ、大怪我をしてしまったんだ。

 

  6ヶ月間松葉杖をついていたらしいね。

 

ランス:

そうなんだ。彼は今日12位だったが、それは凄い順位だ。いい走りだった。俺は誇りに思うよ。

テイラーには恐怖心がない。一緒に自転車に乗ってそれがわかった。彼は自転車の操作がうまく、そういう選手は多くの場面でブレーキを必要としないのだけど、今日は然るべきところでブレーキをかけていたし、とても上手く走ったと思うよ。はじめてのツールとしてはね。

 

ー 僕は一回会ったことがあるんだが、ナイスなヤツだし、とてもおもしろ奴だった。

それに彼はとても良い遺伝子を持っているよね。彼の両親はとても良い自転車選手だった。

 

ランス:

彼の父親(デイヴィス・フィニー)はいろんなレースに出てたしツールでも1勝している*(実際は2勝)。彼の母親(コニー・カーペンター)も、世界的なロードレース選手だっただけでなく、世界的なスピードスケートの選手でもあったんだ。

ヤツの遺伝子には非の打ち所がないよ。

 

第9ステージ評にて

ー 今回のツールに限らず、アメリカ人で将来が楽しみな選手は誰だい?

 

ランス:

ネイサン・ブラウンキャノンデール)は、もうすでに活躍をしているが良いツールを送っている。彼はアクセル・メルクスがやっているアクセオン・ハーゲンズ・ベルマンというチームにいたんだ。

そこ出身の選手でエイドリアン・コスタクイックステップ)もいい。フランス人とアメリカ人の間に生まれたんだけど、すごい才能を持った選手だ。

ニールソン・プラヴィス*(聴き取れず)もいい選手だ。

  

 

ツール・ド・フランスと賞金額について 

第7ステージ評にて

ー リスナーから興味深い記事が送られてきたんだ。

ツール・ド・フランスでは 200万ユーロ(約26千万円)が賞金として用意されているんだけど、他のメジャーなスポーツと比べて

 

ランス:

このリスナーは二つの記事を送ってきてくれた。

一つ目は今年のツールの賞金総額についてで、もう一つはテニスのウィンブルドンの賞金についてだ。

この二つは同じ時期に開催されている国際的で世界中が注目するような大きな大会だ。どちらも世界でトップの選手が集まっている。さらにツールの最終週にはイギリスでゴルフの全英オープンが開幕する。

それぞれの賞金金額について調べたんだ。ツール・ド・フランスは3週間、ウィンブルドンは2週間、全英オープンは4日間に渡って行われる。

全英オープンの賞金は 180万ドル(約2億円) だ。これは優勝者一人に与えられる。

ウィンブルドンは男女それぞれへの賞金が 250万ドル(約28千万円)

ちなみに2011年から優勝賞金は倍額になっている。つまりこの6年で倍になっているんだ。

 

一方ツール・ド・フランスの優勝者は50万ユーロ(約6500万円)だ。

 

なんとこれは、俺が優勝した時と同じ金額なんだ!

それが未だに変わっていないんだ!

世界で一番過酷なスポーツの大会なのに!

信じられない!

 

確かにゴルフはキャディに10%を支払うし、トレーナーやコーチへの支払いもあるだろう。しかしツール・ド・フランスの優勝賞金でその選手が受け取るのはゼロだ。

ゼロなんだ。全ての賞金はチームに入り、さらに自身の細かい賞金などもチームに行く。

 

ウィンブルドンが6年で倍になっているのに、ツールは

 これは正しくない。

 

ー これはクレイジーだね。クレイジーだ。でもファンは「どうせ個人のスポンサーから沢山貰っているんだろ」というだろう。

 

ランス:

もちろんさ。

 

ー しかし、今年のツールに出場した198人のうち、何%がそれだけで生活に十分な額のスポンサー料を貰えているだろうか? 5%?10%?

 

ランス:

この話は少し複雑だな。まず選手個人の前に、チームスポンサーというものがある。選手個人だったらサングラスや、ある程度勝っている選手だったらシューズのスポンサーもあるだろう。でも、自転車やペダルやヘルメットはチームと契約しているから選手個人ではスポンサーがつくことはないんだ。

 

ー 以前の放送で話していたけど、チームとしての利益はほぼないしね。

 

ランス:

これはブラックホールなんだ。

確かに自転車競技はハードだし、賞金が少ない。しかし問題の根本は「ここ何年も変わっていない」ということだ。

 なぜ賞金が上がらないんだろうか。

 

ー 約20年という長い間ね。

 

 

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ツール期間中に訳したランス評の中で、訳の誤りや、英語が聴き取れず不明だった点、補足情報などをコメントやツイッターでいただきまして、本当にありがとうございました。

おかげでツール前よりも多く自転車ロードレースについて知ることができました。

しかしまだまだ観戦初心者でありますので、引き続き指摘等ありましたらコメント欄やツイッター(@If_So_Ara)にてお願いします。

 

 

 

 

 

この絵、ツールの復習に最適。